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執筆者の写真記録:各地指導者、実行委員

11月26日 広島練習内容

とても大切な内容を大島先生が記録してくださいました。喉元過ぎれば・・・という状態を続けるのではなく、何のためのレクイエム・プロジェクト広島なのかを、各自で自覚し、考えていただければと思います。(上田益) ****************** 以下、大島先生の記録です。 本日は、佐伯先生が本番のためお休みでしたので、大島が代講しました。


正直に申し上げますと、広島チームは、来年結成10周年を前に揺れに揺れております。歌う意味を見直す必要が出てきました。誰かに頼り、誰かに乗るのではなく、自らの意思で参加し、歌い、動くことが大事です。そして、共感・共有・協調を重んじています。


危機的な状況にある、と私は思っています。なんとなく集まって歌うのでは、レクプロではないのです。パートの中に、あの人がいるからそれに合わせて歌えばいいや、ではなく、それぞれに伝えたい思いを心に強く持って歌わないと、レクプロではないと私は考えます。「歌いたいから、だけで参加してはダメですか?」と聞かれたことがあります。「それでもいいんです。でも、これらの作品を歌って何も感じないということはないと思うので、自分なりの思いを持って歌ってください」とお伝えしました。


今日練習に参加された皆さんに、上田先生のFacebookの投稿を読み上げました。Facebookをされていない方が多いので、情報の共有も行いました。


11月4日は東京チームの練習に、5日は本番に参加させて頂いた大島が、肌で感じたことを率直に皆様にお話ししました。誰一人として、背中を丸めている人がいないということ。誰もが「歌いたい」「伝えたい」「聴いてほしい」という気持ちに溢れていたこと。上田先生が広島チームの皆さんに「他人事ではないんですよ」とおっしゃっていた、その言葉の本当の意味をしっかり刻んだように思います。


佐伯先生という素晴らしい先生にご指導いただくことは、当たり前ではないので、1回、1回の練習を大事にしたい。この練習報告に、毎回同じことを書きたくないと思っています。コピペだ…と思ったことが何度もあります。だからこそ、神戸公演まではしっかり神戸公演のプログラムを練習しますが、そのあとは、練習開始の13時〜14時まで、大島が声作りと歌い方を中心とした練習を行います。佐伯先生には、14時にお越し頂いて、16時までご指導頂く形をとります。分割することで、歌えている「つもり」のところを無くし、伝えたいことをしっかり伝えられるよう技術的に底上げして、佐伯先生のご指導を最大限有効に生かせるようにしていきたいと思っています。


皆さんにお願いがあります。音取りはとても大事です。佐伯先生は2回歌ったら「はい。できた」と仰ることが多いのですが、できていなくても全然悪いことでも恥ずかしいことでも何でもないので、「先生、もう一回お願いします」と声を出していただきたいのです。積極的に、諦めず、歌っていただきたいと思っています。どうしても言えなかったら、大島に言ってきてください。次回の練習初めに必ずフォローします。


素晴らしい佐伯先生のご指導を有効に吸収したいと思いませんか?


そんなことをお話ししました。その後、実行委員の吉野さんから、今、実際に行動に移していることなどを伺い、花田さんからはとても素直な気持ちを伺ったりしました。こういう素直な言葉って大事だなーと思いました。そして、吉川さんが、なぜ祈りの歌を歌うのかという理由をお話ししてくださいました。涙を流して聞いておられる方もいらっしゃいました。


今日の練習は、お話しをしっかりさせて頂いたので、内容的には進みませんでしたが、前回上田先生にご指導いただいた際に、大変厳しくご指導いただいた箇所があり、なぜそういうご指導になったのかを解説しながら、なんとか改善していこうと思い、重箱の隅をつつくような練習をしました。


Requiemの7番。「Non」の歌い方。これは、外国語の場合、否定をする「non」というのはとても強い意味を持ちます。日本語の場合「忘れない」など、語尾に否定形がつくので、詩の頭に「non」が来ても、なかなかその表現にならないことが多く見られます。私も声楽のレッスンで指摘をされたことがあります。


打破するには…頭の「N」の準備をしっかりすること。上顎に舌先を付けて、鼻腔に響かせて準備をすることも意識しましょう。そして、「Non」の「o」が短くなりすぎないようにしましょう。


懸案の「causam」ですが、楽譜を見ると、歌詞の割り付け便宜上「ca-u-sam」と書いてあるので、その通りに歌ってしまいがちです。「ca-au-sam」と「a」を書き足してみるのも一つの方法です。「カーアウザーム」…カタカナで書くと非常によろしくないのですが、「カーアオザーム」くらい「ウ」の発音を「オ」に近くなるくらい深くしてみてください。顎ではなく、唇を使うことをお忘れなく。分かりにくい方は、いつでも大島に声をかけてくださいね。


何気なく、何も考えず、なんとなく声を出さない。これをテーマにしていきたいと思います。意味のあるブレス。意味のある発声をしていきたいのです。


「Non oblivisco」のフレーズが繰り返されると、大抵最後の方は集中力が切れてくるので、またなんとなく「Non」を発音しがちです。最後まで、ちゃんと意味を感じながら歌いましょう。そしたら、きっと意味のある「Non」が伝えられるはずです。


その後Lacrimozaを歌いました。どうしてもやりたかったのが、出だし。直前でブレスをすると最初の「La-cir-mo-sa」の「La」で音も支えも落ちるんです。ちゃんと4小説の前奏の間に、気持ちと体の準備をして、歌い始めの速度と同じ速度のブレスをしましょう。そのためには、私は、少なくとも4小説目の4拍目あたりからゆっくりブレスをしています。ブレスの仕方ってものすごく大事なんです。


今日皆さんに実際に試してみて頂いて、かなり歌い出しが変化したことを実感していただけたと思います。その後のソプラノの「-mo-sa」の音程がどうしても不安定になるので、その歌い方のコツをお伝えしました。ご自分の頭の上の方に高さのある空間をしっかり感じて頂いて(端的に言えば、眉毛を上げる感じ)、喉だけで音程を動かそうとするのではなく、体の準備が必要で、そのことを実行して頂いた後は、大変美しい5度の跳躍ができていました。


練習番号Eの男声がメインになるところ(Pie Jesu Domoine)を、女声はしっかり聴きながら歌いましょうと申し上げたら「男声がメロディって書いてある〜」と皆さん仰っていました。書き留めているのなら、そうしましょう(笑)!そういう一つ一つを意識して、大切にして、実際にそうしないから同じことを注意されてしまうのです。1回できたら、次は維持!ですぞ。


もっともっとやりたかったです!やればやるほど、皆さんとても良くなっておられたので、もっともっとLacrimosaを美しくしたかった!またの機会にと思っています。


今日参加された方々、本当にいろんなお話を聞いてくださり、いろいろ感じたこともあったかと思います。そして、できる限り背中を伸ばし、一生懸命指揮を見て歌おうとしてくださった気合いをしっかり感じました。その気合いを持続していきたいと思います。


「今日、良かったー。練習が楽しかった。」と言ってくださった言葉を励みにして、反省したり、準備したりして、指導する側も頑張りたいと思います。たくさん佐伯先生とお話ししています。ピアニストの先生方、そして、実行委員の皆さん、団員の皆さんと、広島チームをしっかり作り直したいと思います。


皆さんの歌声、お一人お一人が広島の力なのです。誰がいても、誰がいなくても、個々がしっかり歌えることは不可欠です。そして、互いに思いを重ねて、その思いを伝えられる「レクイエム・プロジェクト広島」でありたいと思います。一緒に、歌っていきましょう。よろしくお願いいたします。


記録:大島久美子(ヴォイストレーナー)





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